病気について
Disease

前立腺肥大症
(尿が出にくい・残尿感)

どんな病気?

「トイレに行っても出きらない」「夜中に何度も起きる」「出始めが遅い、勢いが弱い」
こうした症状は、前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)によるものかもしれません。

前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下に位置し尿道を取り囲んでいます。加齢やホルモンの変化によって前立腺が大きくなると、尿の通り道を圧迫し、尿の勢いが弱くなったり、残尿感が出たりします。

主な症状

  • 尿が出にくい
  • 尿の勢いが弱い
  • 残尿感がある
  • トイレが近い(頻尿)
  • 夜間に何度も起きる(夜間頻尿)
  • 排尿後もスッキリしない

進行すると、尿がまったく出なくなる(尿閉)状態になることもあります。このような排尿トラブルは、日常生活の質(QOL)を大きく左右します。

原因と背景

前立腺肥大症の主な原因は「加齢」と「男性ホルモンの変化」です。
テストステロン(男性ホルモン)のバランスが変化することで、前立腺の細胞が増えやすくなり、50歳以降の男性に多く見られるようになります。60代では約半数、80代では8割以上に前立腺の肥大がみられるといわれています。

検査と診断

診断は、症状の聞き取りと各種検査を組み合わせて行います。

  • 問診・スコア評価(IPSS):排尿症状を数値化
  • 超音波(エコー)検査:前立腺の大きさ・残尿量を確認
  • 尿検査・血液検査:感染や腎機能の確認
  • PSA検査:前立腺がんとの区別に重要

必要に応じて直腸診を行うこともあります。

治療方法

1.薬による治療(第一選択)

軽症〜中等症の場合は、内服薬で症状を和らげることが多く、多くの方がこの段階で改善します。
主な治療薬には以下があります。

  • α₁遮断薬(例:タムスロシン、ナフトピジルなど)
    前立腺や膀胱の筋肉をゆるめ、尿の通りを改善します。
  • 5α還元酵素阻害薬(例:デュタステリド)
    前立腺の肥大進行を抑える作用があります。
  • PDE5阻害薬(例:タダラフィル)
    排尿症状の改善と、ED(勃起機能)への効果が期待できます。

症状や副作用の有無に応じて、これらを単独または併用で使用します。

2.手術による治療

薬で十分な改善が得られない場合や、尿閉を繰り返す場合は外科的治療を検討します。
主な方法には、

  • 経尿道的前立腺切除術(TUR-P):電気メスで前立腺の一部を削る標準的な治療
  • HoLEP(ホルミウムレーザー前立腺核出術):出血が少なく再発リスクが低いレーザー治療

症状の重さや前立腺の大きさ、全身状態に合わせて適切な治療法を選びます。

3.生活改善のポイント

  • 寝る前の水分摂取を控える
  • カフェイン・アルコールを減らす
  • 便秘を防ぐ
  • 適度な運動を心がける
  • 排尿を我慢しすぎない

こうした生活の工夫が、治療の効果を高め、症状の悪化を防ぐことにつながります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 前立腺肥大症はがんになる病気ですか?
A. 前立腺肥大症と前立腺がんは別の病気です。ただし、同時に起こることもあるため、PSA検査による確認が大切です。
Q. 治療薬は一生飲み続けるのですか?
A. 症状や経過により異なります。改善が安定していれば、減薬や中止を検討できる場合もあります。
Q. 手術は怖いです。薬で治らない場合はどうなりますか?
A. 最近は身体への負担が少ない治療法も増えています。症状や体調に応じて、無理のない方法を一緒に検討していきます。

当院からのメッセージ

「年齢のせいだから」と我慢してしまう方が多いですが、前立腺肥大症は治療で改善が見込める病気です。
スカイビル腎・泌尿器科クリニックでは、症状・前立腺の大きさ・ホルモンの状態を総合的に判断し、薬物療法から手術のご紹介まで、幅広く対応しています。「夜トイレで何度も起きる」「出し切れない感じがする」そんなお悩みを感じたら、早めのご相談をおすすめします。