病気について
Disease

前立腺炎
(排尿時の痛み・違和感)

どんな病気?

前立腺炎(ぜんりつせんえん)は、前立腺に炎症が起こる病気で、若い男性から中高年まで幅広い年代にみられます。
「排尿のときに痛い」「股のあたりが重い」「座ると違和感がある」といった症状で受診されることが多く、原因や経過によって大きく2つのタイプに分かれます。

前立腺炎の種類

急性前立腺炎

尿路から侵入した細菌(主に大腸菌など)が原因で、突然の高熱や強い排尿痛を伴うタイプです。放置すると尿が出なくなる(尿閉)など重症化することがあるため、早急な治療が必要です。

慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群

感染がない、または炎症が軽度の状態が続くタイプで、「痛みや不快感が何カ月も続く」など慢性的な経過をたどります。ストレスや自律神経の乱れが関係することもあります。

主な症状

  • 排尿時の痛み・しみる感じ
  • 会陰部(肛門と陰嚢の間)や下腹部の不快感
  • 尿の勢いが弱い、残尿感
  • 頻尿
  • 急性型では、発熱・悪寒・全身のだるさ

原因と背景

  • 細菌感染(大腸菌などの尿路感染菌)
  • 長時間の座位(デスクワーク・長距離運転・自転車など)
  • ストレスや疲労による血流の低下や神経の過敏な反応
  • 過去の感染や前立腺肥大の影響

慢性前立腺炎は、感染がきっかけでも炎症が残ったり、神経が過敏になったりすることで、症状が長引くことがあります。

検査と診断

症状や経過から総合的に判断します。

  • 尿検査・尿培養検査:
    細菌の有無や炎症を確認
  • 血液検査:
    炎症反応や発熱の程度を調べる
  • 超音波(エコー)検査:
    前立腺の腫れ・残尿量を確認
  • 必要に応じてPSA検査:
    前立腺がんとの区別を行います

治療方法

1.抗菌薬(抗生物質)

細菌感染が確認された場合、抗菌薬の内服または点滴治療を行います。代表的な薬剤には以下があります。

  • ニューキノロン系抗菌薬(例:レボフロキサシンなど)
  • βラクタム系抗菌薬(例:セフェム系など)

症状や菌の種類に応じて選択し、急性型では入院点滴が必要な場合もあります。

2.消炎鎮痛薬・α₁遮断薬

痛みや炎症を抑えるために消炎鎮痛薬を使用し、排尿障害がある場合にはα₁遮断薬(例:タムスロシンなど)を併用することもあります。

3.漢方薬・体質改善療法

慢性前立腺炎では、血流や自律神経の乱れを整える目的で漢方薬(例:八味地黄丸、桂枝茯苓丸など)が効果を示すことがあります。ストレスや冷えが影響している方にも向いています。

4.生活習慣の見直し

  • 長時間の座位を避ける(1時間ごとに軽く立ち上がる)
  • 自転車・バイクなど、前立腺や会陰部を圧迫する姿勢を控える
  • 刺激物(アルコール・カフェイン・辛い食事)を減らす
  • 睡眠・休養を十分にとる

慢性化を防ぐには、薬だけでなく生活のリズムを整えることが重要です。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 前立腺炎は再発しますか?
A. 慢性前立腺炎は再発しやすい傾向があります。生活リズムの改善と定期的な経過観察で再発を防ぎます。
Q. 性生活に影響はありますか?
A. 痛みや違和感のために性行為がつらいこともありますが、治療によって改善が期待できます。
Q. 前立腺がんに進行することはありますか?
A. 前立腺炎そのものががんに変化することはありません。ただし、炎症によってPSA値が一時的に上がるため、注意が必要です。

当院からのメッセージ

「排尿のたびに痛い」「股のあたりが重い」「原因が分からない違和感が続く」こうした症状は、前立腺炎のサインかもしれません。
スカイビル腎・泌尿器科クリニックでは、感染の有無・炎症の程度・生活背景を総合的に判断し、抗菌薬・漢方・生活改善を組み合わせて治療を行っています。精神的なストレスが関係しているケースもあるため、「異常なし」と言われても不調が続く場合は、ぜひ一度ご相談ください。